「野菜からおいしい出汁を取りたいけど、どんな野菜を選べばいいの?」そんな疑問にやさしく応える、野菜出汁の入門ガイドです。
甘みやコクを引き出す定番野菜の組み合わせ、皮やヘタまで無駄なく使う節約アイデア、そして動物性出汁との違いや使い分けまで、わかりやすくまとめました。
減塩を意識している方や、子どもや家族のためにやさしい味つけを心がけたい方にも、役立つ知識がぎゅっと詰まっています。
「ベジブロス(野菜の皮や芯を使う出汁)」についても簡単に触れますが、詳しい作り方や保存のコツは別記事で紹介しています。
この記事でわかること:
野菜出汁とは、植物由来のグルタミン酸やグアニル酸など、うま味成分を引き出して作るやさしい味わいの出汁です。
脂質が少なく、ヴィーガンや減塩中の方にも取り入れやすいのが魅力。素材の組み合わせ次第で和洋中さまざまな料理に使え、日々の食卓に自然なコクと深みをプラスしてくれます。
以下のような香味野菜を3種類以上組み合わせることで、旨味の相乗効果が生まれます。塩分を控えてもしっかりとした味わいに。
皮やヘタも出汁に使う場合は、50℃のお湯やブラシでやさしく洗浄を。冷凍保存しておけば、必要なときにすぐ使えて便利です。
植物性の栄養素「ファイトケミカル」も、無駄なく取り入れることができます。
野菜の甘みや香りをやさしく引き出す「野菜出汁」は、材料を水でコトコト煮るだけと、とてもシンプル。火加減や素材のバランスを少し意識するだけで、雑味の少ないクリアな出汁が取れます。
ここでは基本の流れとコツを簡単にご紹介しますが、皮や芯などのくずを使って作る本格的な「ベジブロス」の作り方は、以下の記事で詳しく解説しています。
せっかく丁寧にとった野菜出汁。ちょっとした工夫で、さらに深い味わいや栄養価を引き出すことができます。
野菜出汁に含まれる主なうま味成分は、グルタミン酸(玉ねぎ・トマト)とグアニル酸(干し椎茸などのきのこ類)。この2つを組み合わせると、旨味が一気に引き立ちます。
さらに、ビタミンC・β-カロテン・カリウムなどの栄養素も煮汁に溶け出すため、スープごと飲むのがおすすめです。
切り方を変えるだけでも、風味や濃さが調整しやすくなります。用途に合わせて使い分けてみましょう。
せっかくとった出汁も、保存方法を間違えると酸化が進み、風味や栄養が損なわれてしまいます。以下のポイントを押さえましょう。
必要な量だけ使えるので、日々の料理にも取り入れやすくなります。
煮出した後の野菜にも、食物繊維やうま味がまだ残っています。次のようなアレンジで無駄なくおいしく使えます。
「野菜だけで物足りないかも…」と思われがちな野菜出汁。でも実は、使い方次第で動物性出汁に負けないコクと満足感が得られます。
ここでは、風味・栄養面・レシピ活用法の違いをご紹介します。
野菜出汁:脂質ゼロ・無添加で、すっきりとした味わい。野菜の甘みや香りが引き立ちます。
動物性出汁:肉や魚から出る濃厚な旨味とコクが特徴。脂質やカロリーは高くなる傾向。
料理のジャンルやシーンに応じて、組み合わせて使うのもおすすめです。
野菜出汁はビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、腸内環境の改善やデトックス、ダイエット中のサポートにも◎。
アレルギーや宗教制限にも配慮しやすく、家族みんなにやさしい出汁といえます。
とった出汁は、毎日の食事にさりげなくプラスするだけで、味に深みややさしさが生まれます。例えば、以下のような使い方が人気です。
冷凍ストックしておけば、必要なときにすぐ使えるのもポイントです。
「やってみたけどうまくいかない…」「ちょっと味が薄い?」そんな時に参考にしていただけるよう、野菜出汁づくりのお悩みと、解決のヒントQ&Aをまとめました。
A. 旨味の強い野菜(玉ねぎ・にんじん・きのこなど)を3品以上組み合わせましょう。皮ごと使うとより濃厚に。煮出し時間を20分程度にすると、風味もしっかり感じられますよ。
A. ゴーヤやピーマンの種など苦味野菜は、全体の10%以内を目安にしましょう。アクをこまめに取ることも大切です。仕上げに昆布をひとかけ入れると、まろやかな旨味で味のバランスが整いやすくなります。
A. 冷蔵なら2〜3日、冷凍は1か月が目安です。変色・異臭・粘りがある場合は食べずに破棄してください。
野菜の甘みや香りを活かした野菜出汁は、毎日の料理にやさしいコクと深みを加えてくれます。
旬や皮ごと使える野菜を選べば、ゴミを減らしながら節約・健康管理にも役立つ一石三鳥の存在に。
特に、減塩を意識したい方や小さなお子さんのいるご家庭にはぴったり。冷凍保存や出汁がらの再利用まで、無理なく続けられる工夫もたくさんあります。ぜひ、ご自身のペースで「わたしの出汁習慣」を見つけてみてくださいね。
皮や芯などの“野菜くず”を活用した出汁=ベジブロスについては、さらに詳しく別記事でご紹介しています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
この記事を書いた専門家(アドバイザー)
はなうたツバメ 編集室