低カロリーでも旨味が豊富な出汁は、血糖値の急上昇を抑えるのに役立ち、少量でも満足感が得やすいため、無理なく食事量を見直すサポートになります。
しかし、飲むタイミングを誤ると、塩分や水分を余計に溜め込んでしまい、思うような効果が出にくいことも。
この記事では、「朝・食前・就寝前」を中心に、生活スタイル別の最適な摂り方、作り置きや味変のコツ、飲み過ぎを防ぐポイントまでを詳しく紹介します。出汁の力を上手に取り入れて、ストレスの少ないダイエット習慣を始める参考にしてください。
出汁ダイエットとは、昆布や鰹節などでとった出汁を1日数回飲むことで、自然に食事量や摂取カロリーを減らす健康的な習慣です。
出汁に含まれるグルタミン酸やイノシン酸が味覚を満たし、少量でも満足しやすくなります。また、温かい液体が胃腸を温めて代謝を高める効果も期待できます。
和食由来のやさしい味わいで飽きにくいので、多くの方が「続けやすい」と支持しています。
たとえば、昆布のグルタミン酸には副交感神経を刺激してリラックスを促す作用があり、鰹節やいりこに含まれるイノシン酸やタウリンは疲労回復に役立つと注目されています。
さらにカリウムが余分なナトリウムを排出し、むくみの軽減にも効果的です。
温かい出汁を飲むことで内臓の血流が促進され、結果として基礎代謝や食欲のバランスを整えるサポートが期待できるでしょう。
塩分を抑えつつ旨味を楽しみたい場合は、昆布×鰹節の合わせ出汁が理想的です。
脂質を抑えたい方には昆布のみ、たんぱく質を補いたい方には煮干(いりこ)出汁がおすすめ。
干し椎茸や干し海老などを加えて香りを変えると、味に変化が出て飽きずに続けやすくなります。
出汁を飲むタイミングは、「朝起きてから」「食事前」「就寝前」の3シーンがおすすめです。血糖値の変動を穏やかにし、ホルモンバランスや代謝をサポートしてくれます。
生活スタイルに合わせて1日1〜3回、無理なく取り入れることで、出汁の効果を最大限に引き出すことができます。
温かい出汁は咽頭や胃をやさしく刺激し、交感神経を緩やかに活性化します。これにより、褐色脂肪細胞が熱を生み出し、体温が自然に上昇。
また、出汁に含まれるグルタミン酸が胃酸の分泌を促す働きがあるため、朝食の消化を助けるて、インスリン分泌の急上昇を抑え、脂肪が蓄積されにくい状態を整えることが期待できます。
出汁はわずか数kcalなので、間食代わりにもぴったりです。とろろ昆布や刻みオクラを加えると食感が増し、自然と食事のペースがゆっくりになり、満腹感が得られやすくなります。
味覚の満足感も高まり、少し量を控えても「物足りなさ」を感じにくくなるのが嬉しいポイント。無理なく食事量を見直せる、やさしい食べ方のひとつです。
就寝前に出汁を飲むときは、量は100mL、塩分0.3g以下が目安です。55℃前後のぬるめの温度でゆっくり飲み、腹式呼吸を取り入れることで、副交感神経が刺激され、自然な眠りにつながりやすくなります。
また、GABAやグリシンといったアミノ酸成分も睡眠の質の向上に関与すると言われています。
むくみを防ぐためにはカリウムの多い昆布出汁を選び、アルコールを飲んだ日は量を減らし、水を多めに摂るとバランスが整います。
出汁を飲むベストなタイミングは、生活スタイルによって少しずつ異なります。ここでは、デスクワーク中心の方、運動習慣がある方、夜勤シフトがある方の3タイプに分けて、それぞれの取り入れ方をご紹介します。
長時間座りっぱなしの生活では、血流や集中力の低下が気になることがありませんか?。午前10時と午後3時に1杯ずつ出汁を取り入れ、軽いストレッチを組み合わせることで、血流促進と作業効率アップが期待できます。
また、日常的に飲んでいるコーヒーを出汁に置き換えるだけで、1日あたり約100kcalの削減につながります。
トレーニングやスポーツの前後にも、出汁は効果的です。運動30分前には鰹節出汁、運動後30分以内にはいりこ出汁を1杯飲むのがおすすめです。
出汁に含まれるタウリンやBCAA(分岐鎖アミノ酸)は、筋肉のサポートや疲労回復に関与するとされており、パフォーマンス維持にも役立つとされています。スポーツドリンク代わりに使えば、余分な糖質もカットできます。
夜間勤務の方は、体内リズムが乱れやすく、自律神経のケアが大切です。勤務前に昆布出汁を1杯飲んで体温と覚醒度を高め、深夜の休憩時間には甘味飲料の代わりに、熱々の合わせ出汁に置き換えるのがおすすめです。
また、帰宅前にカリウム豊富な野菜出汁を少量摂ることで、むくみ対策にもなります。
出汁ダイエットを長く続けるには、味や習慣に飽きない工夫が大切。ここでは、日常に取り入れやすい「作り置き」「味変(あじへん)」「外食時の工夫」をご紹介します。
出汁は健康的な飲み物ですが、飲みすぎや使い方を間違えると、思わぬ影響が出ることもあります。以下のポイントをおさえて、安全して取り入れましょう。
出汁の摂取量は1日300〜400mLが目安。塩分は2g以内、プリン体は400mg未満に抑えると安心です。
特に鰹節やいりこを多く使った出汁はプリン体が比較的多いため、鰹節中心の日と、昆布・椎茸中心の日を交互に取り入れることで、栄養バランスを意識した継続ができます。
高血圧や腎疾患をお持ちの方は、必ず医師に相談したうえで取り入れましょう。無塩または低カリウム出汁を100mL程度に抑えるなど、体調に合せて調整できると安心です。
また、妊娠中・授乳中の方は、昆布に含まれるヨウ素の過剰摂取に注意が必要とされています。昆布由来の出汁は使用量控えめを意識しましょう。
出汁ダイエットは、朝・食前・就寝前に1杯の出汁を取り入れるだけで、食べすぎや血糖値の乱れをやさしく整えてくれる、無理のない習慣です。
1日300〜400mL・塩分2g以内を目安に、味変や作り置きで楽しみながら続けられると、気づけば体もスッキリしているかもしれません。
頑張りすぎないダイエットのひとつとして、あなたの生活に“出汁”を取り入れてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた専門家(アドバイザー)
はなうたツバメ 編集室