トップウェルネスコラム出汁とは?種類など基礎知識から、手軽なだしの作り方もご紹介!

出汁とは?種類など基礎知識から、手軽なだしの作り方もご紹介!

私たち日本人の食卓に欠かせない“出汁(だし)”。

毎日何気なく使っているこの調味料は、日本の食文化の真髄とも言える存在です。

昆布や鰹節、干し椎茸といった自然の恵みから抽出されるうま味は、料理の味わいを豊かに引き立てるだけでなく、私たちの健康も支えています。

この記事では、だしの基礎知識、種類、手軽な作り方、健康や節約に役立つ情報を幅広く紹介します。

出汁(だし)とは?基礎知識とその効果

日本人の食卓に欠かせない“出汁(だし)”

和食の基本となるだしは、素材の持ち味を引き出しながら、料理全体に奥行きのある味わいをもたらしてくれます。

また、高い栄養価も評価されており、近年では健康意識の高まりから、化学調味料を避けて自然素材から取っただしを使うご家庭も増えているようです。

だしとは何か

だしとは、昆布やかつお節、煮干し、椎茸などの素材を煮出したり、浸したりして抽出した旨み成分を指します。

素材の持つうま味や香りが凝縮されるため、少量でも料理の味わいを大きく変える力があることが特徴です。

最近では洋食や中華料理にも応用されるなど、だしの活用範囲はますます広がっています。

日本食に欠かせない存在となった背景

日本人は古くから素材の持つ自然の旨みを活かす食文化を育んできました。

調理方法がシンプルであったことや、海藻類や魚介類に恵まれた環境が整っていたことから、だしを使う文化が根付きました。

江戸時代以降、かつお節や昆布の流通が盛んになり、全国的にだしを利用する習慣が広まったとされています。

また、味噌などの発酵食品とも好相性なため、和食全体の風味を深める役割を担ってきました。

だしが持つ健康への効果

出汁には体に嬉しい成分がいっぱい
だしには、私たちの体に嬉しい成分がたくさん含まれています。

例えば、

  • 「グルタミン酸」昆布から抽出される脳の活性化を促すといわれる成分
  • 「イノシン酸」鰹節に含まれている疲労回復効果があるといわれる成分

これらの成分が複合的に作用することで、より高い健康効果が期待できます。

また、天然素材から抽出されるだしは、化学調味料と違って体への負担が少なく、赤ちゃんからお年寄りまで安心して楽しめる上、消化を助ける働きもあるのです。

栄養豊富な野菜だし

野菜のだしも見逃せない栄養の宝庫です。

玉ねぎやセロリ、人参などの野菜を細かく刻んで水から煮出すことで、ビタミンやミネラルが豊富な野菜だしができあがります。

これを和風だしと組み合わせることで、より栄養バランスの取れただしに仕上がります。

だしの種類と特徴

出汁の元となる、かつお・昆布・煮干し・椎茸など
和食の味わいを左右するだしには、実に様々な種類があります。

関東では澄んだ味わいの昆布と鰹節の合わせだしが好まれる一方、関西では昆布だしを重視する傾向があります。

地域ごとの特色あるだしの文化は、その土地の気候や食材との相性によって育まれてきました。

伝統的なだしの種類

日本の伝統的なだしには、それぞれに個性豊かな特徴があります。

【昆布だし】上品な甘みとまろやかさが特徴で、特に上質な昆布からは透明感のある美しいだしが取れます。

【鰹節だし】香り高く力強い味わいが特徴。これらを組み合わせることで、より深みのある味わいが生まれます。

【干しシイタケ】独特の香りとうま味が抽出され、精進料理などでよく活用されています。

【鶏がらを使っただし】コクがあり、中華料理やラーメンのスープなどに重宝されます。

市販のだし製品とその利便性

忙しい現代生活において、市販のだし製品は大きな味方となっています。

顆粒だしや液体だし、だしパックなど、様々な形態が開発され、手軽に和風だしの味わいを楽しめるようになりました。

ただし、これらの製品を選ぶ際は、原材料をしっかりとチェックすることをお勧めします。

最近では、化学調味料不使用で天然素材のみを使用した製品も増えており、手作りに近い味わいを手軽に楽しめる商品も見つかります。

特に、だしパックは手軽さと本格的な味わいを両立させた優れものと言えるでしょう。

家庭でできるだしの取り方

和食の要となるだしは、家庭で手軽に作ることができます。

良質なだしを取るコツは、素材選びと時間の使い方にあります。

市販のだしと比べると、手作りだしは素材本来の味わいを存分に楽しめ、しかも経済的です。

基本的な“一番だし”の作り方

昆布と鰹節を使った“一番だし”
だしを取る基本は、素材と水の配合を適切に保ち、ゆっくりと時間をかけてうま味を引き出すことです。

特に初めて作る方は、昆布と鰹節を使った“一番だし”から始めることをお勧めします。

一番だしは和食の基本となり、どんな料理にも相性が良いのでおすすめです。

昆布だしの作り方

手間なく簡単に作ることができるのも、昆布だしの魅力です。

昆布の表面の白い粉はうま味成分なので、拭き取らずにそのまま使いましょう。

水1リットルに対して10~15センチの昆布を入れ、室温で6~8時間、もしくは冷蔵庫で一晩かけてゆっくりとうま味を抽出します。

急ぐ場合は、60度程度の温度で30分ほど浸すことでも十分なだしが取れますので、その日のうちに使いたい人も安心です。

鰹節だしの作り方

昆布だしができたら、次は鰹節を加えて風味豊かなだしに仕上げます。

昆布を取り出した後のだしを80度程度まで温め、水1リットルに対して30~40グラムの鰹節を加えます。

すぐに火を止め、鰹節が沈むまでそっと待ちます。急かして混ぜると苦味が出てしまうので、このひと手間を惜しまないことが大切です。

だしを使った節約のコツ

“だしがら”は家計の節約にも貢献
手作りだしは、体に優しい自然なうま味を提供するだけでなく、家計の節約にも貢献します。

一度使っただしの材料は“だしがら”と呼ばれ、捨てることなく美味しく食べられます。

特に昆布は、二番だしを取った後でも十分にうま味が残っており、様々な料理に展開できます。

食材を最後まで使い切る工夫は、日本の伝統的な「もったいない」精神にも通じます。

昆布や鰹節を再利用するレシピ

だしを取った後の昆布は、細切りにして煮物や炒め物の具材として使えます。

また、醤油と砂糖で甘辛く味付けした佃煮にすれば、ご飯のおかずやお茶請けにぴったりです。

使用済みの鰹節は、醤油をかけてふりかけにしたり、炒めてごま油で和えたりと、アレンジは無限大です。

日常での節約料理としての活用法

だしがら活用の極意は、素材の特性を理解することにあります。

昆布の食物繊維は煮込むほど柔らかくなり、鰹節は香ばしさが残っています。

これらを活かして、昆布の炒め物や鰹節の混ぜご飯など、手軽な一品に仕立てることができます。

また、野菜の茎や皮なども一緒にだしを取ることで、より経済的で栄養価の高い調理が可能になります。

だしの保存方法と長持ちさせるコツ

せっかく丁寧にとっただしも、保存方法を誤ると風味が落ちてしまいます。

ここでは、だしのうま味を長く楽しむためのポイントをご紹介したいと思います。

だしを冷蔵保存する方法

冷蔵保存では、清潔なガラス瓶や密閉容器を使うのがベストです。密閉容器に入れる前に、一度だしを沸騰させて雑菌を除去しておくと、より長持ちします。

冷蔵庫での保存期間は3〜4日が目安ですが、容器の底に澱みが出てきたり、香りが変わってきたりしたら使用を控えましょう。

また、使用する際は必要な分だけを別の容器に移し、メインの保存容器は極力開け閉めを少なくすることをお勧めします。

だしを冷凍保存するテクニック

冷凍保存は、実は私がいつも実践している方法です。特におすすめなのが、製氷皿を使った小分け保存法です。

一回分の使用量を考えて、15〜20ml程度ずつ小分けにして凍らせておくと重宝します。

また、だしの種類ごとに製氷皿を分けておくと、混ざり合うことなく保存できます。保存袋に入れる際はしっかりと空気を抜き、保存日付を記入しておくと便利です。

このように保存すれば、1ヶ月程度は風味を損なうことなく使用できます。

だしに関するよくある疑問と回答

出汁の疑問を抱える夫婦
ここでは、だしに関する疑問にお答えします。

特に初心者の方が躓きやすいポイントを中心に解説します。

だしの味が薄い時の調整方法

だしの味が期待していたものより薄く感じる場合、慌てて材料を追加したり、塩分で調整したりするのは避けましょう。

まずは火を弱めてゆっくりと時間をかけることで、材料本来のうま味が引き出されることがあります。

それでも物足りない場合は、新しい材料を追加する際、先に煮出した材料も一緒に10分ほど煮出すことで、味に深みが出てきます。

また、最後の味付けの段階で、塩や醤油で調整する場合は、小さじ1/4程度ずつ加えながら、こまめに味見をすることで、お好みのだしの風味に近づきます。

だしに適した水の種類と温度

水の選び方は、実はだしの味を大きく左右する重要なポイントです。

硬水は昆布だしを取る際にカルシウムがうま味成分の溶出を妨げるため、軟水を使用することで澄んだ味わいが引き出せます。

水温に関しては、材料によって最適な温度が異なります。

例えば、

  • 【昆布だし】60度前後でゆっくりうま味を引き出す
  • 【かつお節】75~85度くらいの高めの温度で素早くうま味を引き出す

家庭での調理では、沸騰直前のお湯を使うことで、おおよそ適温での抽出が可能です。

まとめ

日本の食文化の基礎となる出汁(だし)。それぞれの素材が持つ特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることで、料理の幅は大きく広がります。

また、食材を最後まで大切に使いきれば、経済的で環境にもやさしい料理生活を実現できます。

毎日の食事に手作りだしを取り入れたなら、家族の健康を支え、食卓での会話も一層豊かになることでしょう。

ぜひ、この記事で紹介した知識やテクニックを活かして、ご家庭でのだし作りに挑戦してみてください。

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この記事を書いた専門家(アドバイザー)

はなうたツバメ 編集室

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